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代表
浅井直也

高砂電気工業株式会社 代表

1960年名古屋生まれ。1983年名古屋大学法学部を卒業後、日本放送協会に入局。1992年高砂電気工業(株)に入社。旋盤工、設計、海外営業担当などを経て、2002年に代表取締役社長に就任、現在に至る。

なぜ今の仕事に?

前の職場も充分にやりがいを感じていましたから、転職する気はほとんどありませんでした。当社の創業者である父に口説き落とされての転職でしたが、最後の決め手は「海外に留学させてやる」という一言でした。半年ほど英国と米国で語学学校に通いましたが、夜は若い学生さんとパブに繰り出したりして、とても楽しい人生のひとコマでしたね。海外留学制度は今も利用可能ですから、みなさんも是非当社入社をご検討ください。父からは他にも、「うちの会社は楽で儲かる」と言われました。確かに安定してそこそこの利益は出せていますが、残念ながら、仕事が楽だと思ったことは一度もないですね。でも、楽しい仕事はしていますよ。今年関わったプロジェクトで言えば、月面でのビール醸造とか、人工流れ星計画とか。

仕事への想い

海外でも売れる製品の開発が、1959年の創業以来の目標でしたから、1980年代初頭には既に輸出を開始していましたが、私の入社当時の海外売上比率はまだほんの数%でした。私が入社以来やって来たことは、海外市場拡大と、そのための新製品開発だと言えるでしょう。お陰様で今は売上の約三分の一が直接海外に輸出され、販売先は60か国近くに及んでいます。世界規模の大手メーカーへの部品供給もある一方、ハーバードやスタンフォードを含む海外の大学や、NASAなど研究機関に向けた、特注品や試作品も多くあります。大企業が相手にしないような小規模で特殊な市場をニッチ市場と呼びますが、当社は世界各国のニッチ市場にオンリーワンでユニークな製品の供給を続けるグローバルニッチ企業と言えます。その源泉は、年間約400件のハイペースで新たな製品を設計すると言う少量多品種対応型の技術者集団と、語学力に長けたグローバル人材です。新製品開発にも色々な手法がありますが、当社が得意としているのは、カスタマイズと呼ばれる対応です。市場を俯瞰的に見て、良く売れそうな製品を選定し、「選択と集中」で開発を進めると言う一般的でマクロ的なマーケティングとは異なり、目の前にいる特定のお客様の要望にとことんお付き合いします。お客様との直接コミュニケーションでしか把握できないミクロ的な市場ニーズというものがあります。このようなアプローチでは、市場の多数派に幅広く売ると言うことは難しいですが、その替わり、一部のマニア的ユーザーの圧倒的な支持や、時には感謝の言葉までいただくことができます。しかもその様にして開発された尖った製品の中には、普遍的な市場ニーズを先取りしている物が往々にしてあり、結果的にヒット商品になったりします。このようなスタイルが、他社と戦う上での当社の武器だと思っています。

若者へのメッセージ

これからの日本は、人口減少に伴い、市場が小さくなって行きます。一方で海外には無限の可能性があります。ぜひ海外に目を向け羽ばたいて欲しいです。単に経済的な利益のためだけではありません。日本の優れた技術は、開発途上国を含めた世界の人々のクオリティ・オブ・ライフの向上に必ず役立ちます。例えば当社製品の半数以上は医療関連機器に搭載されており、輸出先の各国で医療サービスの向上に貢献しています。ぜひ高い志を持って世界に出て行って欲しいと思います。名古屋のこんな中小企業でもそれにチャレンジしています。皆さんなら必ずできます。とは言え、海外には日本と違う文化や感覚があります。ぜひ自分の目と耳で直接海外に触れ、日本だけにいては得られないグローバル感覚を身につけて欲しいですね。最初は苦労もカルチャーショックもあると思います。でもやがて、自分のいた日本が、世界という大きなシステムの中のひとつの地域に過ぎないことに気付く日が来るはず。その時、あなたの目の前に広がる世界は、今までと違って見えることでしょう。そんな大きな景色を、一緒に見てみませんか?